稚内市立潮見が丘中学校 いじめ防止基本方針

 

■はじめに
 昨今の状況を見ると、いじめは学校のみならず社会が抱える問題ともいえる。インターネットの普及や価値観の変化、グローバル化などにより人間を取り巻く環境が大きく変化している。その結果、様々なストレスも生じ、いじめなどのゆがみが生じているというとらえ方もできる。社会全体で考え、手を打たなくてはならない問題である。

 その上で、学校教育の果たす役割を改めて認識し、潮見が丘中学校として、家庭・地域・関係機関との連携を図りながら、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に努めなくてはならない。

 「いじめは、いじめを受けた子どもの教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものである。」ということを肝に銘じ、いじめのない学校づくりのための基本方針をここに定める。

 

1.いじめ防止のための基本理念
 

  • いじめは、どの学校、どの学級、どの生徒にも起こりうるものであり、全ての生徒に関する問題であるという認識に立つ。
  • 全ての生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われないことを目指して防止などの対策を行う。

 

いじめは、いじめられた生徒の心身に深刻な影響を及ぼす許されない行為

① 全ての生徒がいじめを行わないこと。

② 全ての生徒がいじめを認識しながら放置することがないようにすること。

③ 集団全体にいじめを許容しない雰囲気を形成すること。

④ いじめを解決していく過程で、そこに関わる生徒などの人間的な成長を期して行うこと。

  

2.いじめの定義
(1) いじめとは・・・

 いじめとは、「児童などに対して、①当該児童などが在籍する学校に在籍しているなど当該児童などと一定の関係にある他の児童などが行う②心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネット等を通じて行われるものを含む)であって、③当該行為の対象となった児童などが心身の苦痛を感じているものをいう。」といじめ防止対策推進法第2条に定義されている。

  いじめに当たるかどうかは表面的、形式的に判断することなく、いじめられている児童生徒の立場に立って判断することが肝要である。また、その際には、「心身の苦痛を感じているもの」という要件が限定して解釈されることのないよう留意する必要がある。

 また、いじめの加害・被害という二者関係だけではなく、学級や部活動などの所属集団の構造から発生する問題もあることに注意していく必要がある。加えて、観衆としてはやし立てたり面白がったりする存在や暗黙の了解を与えている傍観者の存在にも注意を払う必要がある。

 

(2) いじめの解消

いじめが解消されたということは、次の2点の基準を満たしたものである。

① いじめに係る行為が相当期間止んでいること 

※相当期間とは少なくとも3ヶ月を目安にする。

② 被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないこと 

※苦痛を感じていないことを被害生徒本人及びその保護者に面談等で確認し、「いじめ対策委員会」において総合的にする。

 

3.いじめを未然に防止するための基本的な考え方
 (1) いじめの防止

 いじめ問題の克服には、いじめの未然防止が重要である。生徒を社会性のある人間に育てることでいじめを生まない土壌をつくることである。そのためには、全ての生徒に「いじめは決して許されない」ことを教育活動全般を通じ、実生活における行動として身につけさせることが必要である。生徒の豊かな心を育むことで人権意識を高め、お互いの人格を尊重し合える態度を育成し、適切な人間関係を構築する力を養成することが重要である。

 また、いじめの背景にはストレスなどの要因もあることから、生徒のストレスマネジメントの能力も向上させる必要がある。そして、いじめの問題は社会全体で考え、対応していかなければならないことから、生徒が自   己有用感や充実感を感じられるような働きかけを、学校・家庭・地域が一体となって取り組んでいけるような連携を図っていくことも重要である。

 

(2) いじめの早期発見

  いじめの問題は早期発見、早期解消に尽きる。いじめは通常、大人の目につきにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけあいを装って行われたりするなど、大人が気づきにくい、判断しにくい状況で行われることを認識する必要がある。些細な兆候であっても見逃さないよう、細心の注意を払うことが肝要である。

 そのためには、定期的なアンケート調査や教育相談の実施を計画的に行うこと、そして、何よりも日常的な生徒の関わりが重要である。生徒の僅かなサインを見逃さない大人の側の感受性を高めることと、生徒が教職員や周りの大人に相談しやすい環境を整えることが大切である。

※生徒には年2回以上、保護者には年1回以上のアンケートを実施し、実態把握に努める。その回答によっては、早急な解決が必要と判断される場合、すぐに聞き取り調査を行い、その内容を「いじめ対策委員会」に報告する。

 

(3) いじめへの対処

 いじめを認知したら、直ちにいじめを受けた生徒やいじめを知らせてきた生徒の安全を確保する。そして、いじめを行った生徒に対して事情を確認した上で適切に指導することが必要である。なお、指導は「いじめ対策委員会」を中心としながら、全教職員で組織的に行うことが肝要である。そのため、体制の整備を行うこと、対処方法などの研修を実施する必要がある。

 また、家庭への連絡や教育委員会への相談の他、事案に応じて関係機関と連携することが必要である。

       

(4) 家庭・地域・関係機関との連携

 学校だけで教育は完結し得ず、学校・家庭・地域の連携なくして生徒の健やかな成長は望めない。社会全体で子どもを見守り、働きかけていくことが求められる。

 いじめ問題にしても、PTAや地域の関係団体などと協議することや、学校評議員会を活用するなど、より多くの大人が子どもを中心に関わり合い、多様で有効な対策が立てられ、取り組んでいかなければならない。また、学校の指導では限界があり、十分な効果が上げることが困難な場合は、各関係機関(警察、児童相談所、医療機関、教育相談所、地方法務局など)との連携が必要である。

 

 

4.いじめ対策委員会
(1) 目的

 いじめ防止対策推進法第22条に基づき、本校におけるいじめの防止、早期発見及び対処などに関する措置を実効的に行うために「潮見が丘中学校いじめ対策委員会」を設置する。

 

(2) 機能

① 学校で把握したいじめに対して、組織的な対応を推進する。また、その取り組みに対して協議、調整、評価などを行う。

② 外部の専門家などから意見を聞き、学校の対応などに活かす。

③ 学校で把握したいじめの重大事態に対し、関係機関と連携し対応する。

④ 教務部研修係と連携を図り、生徒指導主事を中心に年1回、校内研修を行う。

 

(3) 構成

①基本構成

【校内】校長、教頭、生徒指導主事、養護教諭、特別支援コーディネーター
【校外】スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、民生児童委員

※必要に応じ「北海道いじめ問題等解決支援外部専門家チーム(道北支援チーム)」を活用する。

 ② いじめ問題の状況に応じ、関係する教職員や専門的な知識を有する人間、教育委員会職員などの必要な人員を加える。なお、PTAとの連携を図るために、必要に応じPTA会長を構成員とする。構成となる必要がないという場合でも、状況に応じて報告、相談をする。また、必要に応じてPTA役員会も開催し、報告、相談をする。 

 

(4) 改善

チェック機能と改善(アクション)機能を設置し、毎年見直すこととする。

【チェック機能】

 いじめアンケートや学校評価等の客観的指標をもとに、1~2月に生徒指導部で検討後、「いじめ対策委員会」で検討を行う。

【アクション】 

 チェックしたものをもとに、年度末会議、新年度対策会議にて、全教職員で改善を図る。

 

 

5.いじめ防止のための取り組み
(1) いじめについての共通理解の促進

① 校内研修や職員会議で「潮見が丘中学校いじめ防止基本方針」の共通理解を深める。

② 生徒に対していじめの講話やその他の学習の機会を適宜設ける。

③ PTA総会や学級懇談会などで、保護者と共にいじめについて考え、話し合う機会を設ける。また、専門家などの講話などを聞く機会を設ける。

 

(2) いじめを生まない指導の工夫

① あらゆる教育活動で、相手を尊重する態度、わかり合う努力や安心・安全な生活を築くために必要なことなどを考え、実践的に学ぶ機会とする工夫をする。

② 生徒会を中心に、「人権週間」などの機会を利用し、いじめについて考え、話し合う機会を設け、いじめを生まない取り組みを進める。 

③ 教育相談や日常生活のなかで、生徒の人間関係などの状況を把握することに努め、指導に活かす。

④ 生徒会やPTA、教職員の共同で、スマートフォン、ゲームなどの使用についての約束事を決め、それを守る努力をお互いの連携を持って進める。

⑤ 開かれた学校づくりに努め、保護者や地域住民、関係者とのコミュニケーションを図り、子育ての共同体としての力あわせに努める。

 

 道徳や特別活動での生徒の心育ちのための指導が重要なことは誰もが認識するところである。そしてそれと同時に考えなくてはならないことがある。それは授業である。学校生活の大半を占める授業が、生徒にとってわからない、つまらないものだと、授業規律は確立しにくい。その結果、意欲的な学校生活、落ち着いた学校生活は難しくなってくる。そうした状況下で、学校行事や部活動などで生徒の力の伸張、人間的な成長を図ろうとしても、日常の学校生活が充実していなければその場限りのものになりやすく、以後の生活に結びついていくことは難しいものがある。

 やはり、生徒にとって学ぶ価値のある、楽しいと思える授業づくりがいじめを生まない、安定した学校づくりの根底である。その上での種々の教育活動である。

  •  授業の腕を上げる。教材研究に努め、有効な教材の追求をしていく。
  • 学校行事や体験活動、部活動などを通して達成感や感動を共有することで、人と関わることの喜びや大切さに気づかせる。また、感謝する心や協力する心を育む。
  • 様々な教育活動において、自分が認められている、役立っているなどの自己有用感や自己肯定感を獲得していく場面や機会を設定する。
  • 共感的な生徒理解に努める。生徒を傷つけたり、いじめを助長させるようなことのないように、指導のあり方には十分に意を払う。
  • 一人の人間として教職員と生徒とは対等な人間関係であることを教職員は自覚すること

 

(3) 生徒の声を聴く工夫

①いじめアンケートの実施

〈実施前〉

1.「いじめ」の定義について

2.「アンケート」の意味

3.「良い学校(学級)づくり」のために行う、という3点の説明をする。

〈実施後〉

1.1人ずつ教師が回収し、誰が書いたものかわかるようにする。

2.アンケートのなかで「嫌な思いをした」に○を付けている生徒との面談。保護者連携。

※アンケート用紙は、5年分保管となっているため、学年部長→生徒指導部長→教頭という流れで回収し、学校保管とする。

②教育相談(二者面談・三者面談)の実施

 生徒の人間関係が複雑化していることから、各学期に1度は、生徒と直接話をする機会をつくり、積極的な情報収集を行う。実施方法は担任だけでなく、学年教員全員で行うこととする。

 

 

6.いじめに対する措置
(1) いじめの発見・通報を受けたときの対応

① いじめと思われる状況(行為)を発見した場合は、すぐにその場でその行為を止める。

② いじめの疑いがある相談や訴えなどがあった場合は、速やかに「いじめ対策委員会」に報告し、学校の組織的な対応につなげげる。その際、いじめられている生徒や通報してきた生徒などの立場に立って、話を十分に聞いた上で迅速な対応を行う。

③ いじめられた生徒や報告してきた生徒の安全を確保する。

 

(2) いじめの事実確認と報告

① 速やかにいじめ対策委員会が中心となって状況を整理し、今後の対応について協議する。

② 当該の生徒にいじめの事実確認を行う。事実確認の際には、一方的、一面的な解釈で対処しないこと。また、プライバシー保護の観点を忘れないこと。

③ 事実確認の状況を対策委員会で共通にし、その後の対応について改めて協議する。

④  ③の後、速やかに状況に応じて電話連絡、家庭訪問または学校に来てもらうことなどにより、いじめの被害・加害の生徒の保護者に事実確認及び今後の対応について伝える。

⑤ 状況に応じて関係機関との連携を図る。なお、いじめが犯罪行為、犯罪行為と疑われると認められるときや重大な被害があると判断される場合は、警察、児童相談所と相談し適切に対応する。

 

(3) 関係する生徒及びその保護者への対応

①全力を挙げて生徒を守る体制をつくり、被害を受けた生徒及びその保護者に学校としての対応について伝える。可能な限り不安の解消に努める。

② 加害の生徒への指導は、いじめは人格を傷つけ、生命、身体又は財産を脅かす行為であることを理解させるとともに、いじめの背景に目を向け、人格の発達に配慮するなど教育的な配慮のもと、健全な人間関係を育めるよう成長を支援する。

③ 加害生徒の保護者へは、事例の内容と被害生徒の状況報告等、正確な状況報告を行い、指導内容についての説明を行う。

④ 被害を受けた生徒が安心して教育を受けられる環境を確保する。必要に応じて、加害の生徒に対する別室指導や出席停止などの措置をとる。

 

(4) いじめが起きた集団への指導

① 学級での話し合いや全校集会を開き、いじめは一人の人間の人生を狂わせてしまう可能性のある行為であり、絶対に許されないことを理解させる。

② 話し合い活動などで、いじめを根絶しようとする態度を育てる。

③ はやし立てる行為はいじめに荷担する行為であることを理解させる。

④ いじめを止めることができない場合には、誰かに知らせる勇気を持たせる指導をする。

⑤ 必要に応じて保護者会を開催する。その際には、単なる事実経過や学校の方針の報告だけではなく、いじめの防止についての理解を促す。また、学校と保護者との連携でいじめを生まない環境づくりについて啓発する。

⑥ 再発を防止するために、被害生徒又はその保護者への支援、加害生徒への指導、又はその保護者への助言を継続的に行う。

 

(5) インターネットにおけるいじめへの対応

① 他のいじめ同様、いじめが疑われる状況が発生した場合は、いじめ対策委員会を中心に対応する。

② 不適切な書き込みなどは直ちに削除要請を行う。また、必要に応じて警察や法務局などに協力を求める。

③ 情報モラル教育を推進し、生徒に「トラブルに巻き込まれない・起こさない」ことを徹底して指導し、理解させる。また、PTA活動や懇談会等を利用し、保護者への啓発も行う。

 

7.重大事態への対応

 ①いじめにより当該学校に在籍する生徒等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

② いじめにより当該学校に在籍する生徒等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

※重大事態について…いじめ防止対策推進法第28条より
 

(1) 重大事態の発生と報告

重大事態が発生した場合、速やかに教育委員会に報告する。

 

(2) 重大事態に対する調査及び組織

① 重大事態であると判断した場合は、速やかに当該重大事態に係る調査を行う。(いじめ防止対策推進法第28条)

② 調査は教育委員会と連携して実施し、調査により明らかになった事実関係について、いじめられた生徒や保護者に対して、適切に情報提供を行い、説明責任を果たす。

③ 調査用紙の内容などについて、外部の有識者などの意見を取り入れるなどして作成し、信頼性・妥当性の高い調査となるように意を配る。

④ 調査方法について、特に生徒の自殺があった場合は、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(平成23年6月1日 文部科学省初等中等教育局長)」を参考にする。

⑤ 調査により明らかになった事実関係は、いじめを受けた生徒・保護者に対して説明する。

 

 

令和  3年3月 制定